山中教授のマニフェスト(OELキャンペーン 552)

2013・12・16(月) 新たなものづくりこそ

活気を取り戻しつつある日本、アベノミクスで将来を切り開こうと国を挙げて努力が積み重ねられている。日本が世界において存在を発揮するためには「ものづくり」が欠かせない。長引く不況下で国際競争力の低下が取沙汰されたが、わが国の技術力は総じて高く、「Made in Japan」が世界に通用していることは明らかである。

日本が世界でシェアトップを占める分野は然る調査では50の品目の内12であった。自動車、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゲーム機器、炭素繊維、白色LED、CMOSイメージセンサー、マイコン、等々今なお、日本が技術力で世界をリードしている。

技術力の発展には色々の要素があるが、その一つが優れたエンジニアの存在であることは言うまでもない。エンジニアが仕事でいかにイノベーションをもたらすか、その動機は「やりがい」である。

製造業の技術力の高さは一朝一夕に得られるものではない。日本では古来「匠の文化」がある。この伝統が生きて、工場では技術の蓄積も次の世代へ託そうとする文化がある。育てるという意識が代々続いている。チャレンジ精神が脈々として引き継がれ、ブレイクスルーに不可欠なエンジニアの発想やヒラメキが次々に生み出されるのである。

専門領域の異なるエンジニアが集まるセミナー、研修制度も大切である。エンジニアに求められる資質には専門知識は勿論のこと、論理的思考力が不可欠だ。色々の視点に立ち、仮説を立て、検証を行う思考力が重要である。

さらに必要なのがコミュニケーション能力だ。わが国が特長とする研究開発チーム方式ではミッションを達成するためチームの意思疎通、情報交流が不可欠となる。

とくに今後わが国のエンジニアに求められるものは国際的感覚、異文化の理解力、そして外国語能力である。専門領域の研究に加え、これらの能力を身につけることで、エンジニアとしての活躍の場は国際的に広がっていく。

これまで日本経済を牽引してきた領域だけでなく、成長産業として期待の高い航空、ロボット、バイオ、医療の分野でも優秀なエンジニアが待望されている。

これから日本を力強い成長軌道にのせるためには、それぞれの分野でエンジニアの活躍が欠かせない。新生日本のベースは「新たなものづくり」にある。そのための唯一の決め手が人材である。人材育成には大学の使命が益々重かつ大と言わねばならない。

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山中 千代衛