山中教授のマニフェスト(OELキャンペーン 555)

2014・1・14(火) 新エネルギーの展開

郵政民営化の法案は衆議院を通ったが、参議院で否決された途端に衆議院を解散する奇手で自らの主張を貫いた小泉紳一郎元首相は先般ノルウェーの核燃料廃棄地下施設を見学し、とうていわが国ではこの種の安定した処理場が確保出来ないとして、原発ゼロ発言を繰り返している。時あたかも東京都知事の選挙が近づき、これも元首相の細川護煕、熊本の殿様が小泉元首相のすすめもあり、脱原発を唱えて知事選挙に立候補する由である。

東京電力福島第一原子力発電所の津波による大事故を見ると、原子炉の安全性にはまことに重大な欠陥があり出来れば原発を無くすことが望まれる。しかし原発即刻廃止論はまさにセンチメンタルな愚挙である。

全世界で400基余りの原発が稼働中であり、今後さらに200基の建設が計画されている。日本の原子炉50基を廃止しても、地球全体ではほとんど無意味である。

先進国ドイツでは2020年までに原発全廃を唱えている。ドイツは自国の原発は無くしても隣国フランスから原発による電力を輸入していける。

日本の場合、隣国の韓国や中国から原発による電力を輸入することは不可能である。したがって自らの原発を廃止するなら、火力発電に電力を頼るしかない。原油やLNG、又石炭を割高な価格で輸入し、外国の3倍以上もの高い電力料金を支払う状態が定着してしまう。これでは日本の企業はコスト競争力で遅れをとり、国内産業は空洞化し、国力の低下は火を見るより明らかである。

現在の地球上の化石燃料は石油40年、石炭は120年で枯渇するとされている。原発の存続中にさらなる新エネルギーへの展開を計ることがきわめて重要である。メタンハイドレートも可であるし、シェールガスも当面を補うことが出来よう。

しかし未来にわたる新エネルギーこそ太陽のエネルギー源「核融合」なのである。暴走の危険がなく、安全運転が原理的に可能な核融合炉の研究開発を今こそ本格的に進めなければならない。磁気閉じ込め核融合であるITERの推進と、NIFで代表される慣性閉じ込め核融合を本命とすべきである。

人類は先の石油危機の時代きわめて敏感に核融合に対処したが、時代の停滞と研究資金の不足のため、昨今のわが国はかつての活力を喪失してしまったかのように見える。社会全体が今こそ力を致して人類のため新エネルギーの開発に邁進しなければならない。

Fusionこそ新エネルギーの本命なのである。Fissionはそれまでの継ぎの方策にすぎない。

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山中 千代衛