山中教授のマニフェスト(OELキャンペーン 565)

2014・3・24(月) STAP細胞について

米国ハーバード大学のチャールズ バカンティ教授は2001年に極端な低酸素状態でも生き続ける胞子のような細胞があり、これは組織を再生させる潜在力を持っているという論文を発表している。

この教授の下に留学していた理研の小保方晴子さんが当時のテーマを持ち帰って、いわゆるSTAP細胞の作製法をNatureに発表した。論文の筆頭著者が小保方、最終著者がバカンティとなっている。

この論文はSTAP細胞の作製法を世に問うたもので、科学上のテーマとしてはこれから科学者の間で議論され、勿論追試も行われた上で成果が確立するというのが筋である。

ところがマスコミの記者連中はワッとばかり彼女のことを「リケジョのスター」、「割烹着の研究者」とおだて上げ、まさに大発明が完成したかのように太鼓を打ち鳴らして大宣伝した。

ところがそのNature誌投稿論文にコピーアンドペーストがあるとなると言葉を尽くして罵りはじめた。そもそも最初に記事にする時に、その内容を正しく理解し、せめて幹細胞への期待がもてる発見だ、位の報道にするのが良識というものだろう。

彼女を勝手にスターダムに上げておきながら、自ら全く反省することなく、急に正義の剣を振り回すという習性は、まさに「マスコミ」、かつて「新聞屋」という呼称で扱われた存在そのものではないか。

たしかに理研神戸センター長がこれを予算獲得のため利用しようとした気配は十分感じられる。その点は理研の研究管理体制のゆるみを言わざるを得ない。

それでもバカンティ教授が発想に自負心を持ち、異端視にも屈せずデータが誤りだと言う証拠がない以上、撤回すべきでないというのは科学者として重要な卓見である。

真の科学はこのようにして世間から異端視された発見から、現在の姿に成長してきたのである。科学は多数決で決まるものではない。

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山中 千代衛