山中教授のマニフェスト(OELキャンペーン 609)

2015・2・2(月) イスラム過激派組織ISの横暴

いわゆる「イスラム国」と称する軍事組織はシリアとイラクの北部、トルコに南接する地域を支配し、日本人のフリージャーナリスト後藤健二と民間軍事会社の湯川遥菜の二人を拘束し、日本政府に対し72時間以内に2億弗の身代金を払わねば殺害すると通告してきた。

今日で10日が経過した。湯川氏は殺害されたとも言われているが真偽は不明である。昨今は条件をかえてはるか南ヨルダン国のカサスベ空軍中尉とISのサジダ・リシャウィ テロ死刑囚との交換を要求してきた。後藤氏との2対1の取引が浮上したが、ヨルダン政府は強硬で遂に2月1日後藤氏もISに殺害されたようである。

連日の新聞報道は何かものがはさまったような記事で読者をいらいらさせ続けてきた。政府は安倍晋三首相以下岸田文雄外相や菅 義偉官房長官はヨルダン政府と連絡をとって「何としても解決したい」と述べていたが、今一つ決め手がない状態で推移した。

米英のように身代金は一切支払わないと対テロ解決に断固とした姿勢の国と、伊仏のように口では取引せずと言いながら身代金を払って解決しようとする国々もある。わが国の政府は冷静な対応を強調しているのみで一向に事態の進展は見られなかった。

ネット上では例によって色々の意見が交錯していた。「何とか助けたい」から「自己責任論」まで飛び出している。

日本政府の「テロには決して屈することはない」との発言は、このような誘拐の危険にさらされた地域で働く日本人にどんな気持ちをいだかせるだろうか。この点が最も心配なところである。

海外勤務の人達と自ら好んで紛争地に赴いた人達は、勿論人間としての立場が大いに異なる。しかし過激派の連中にとってはその区別はない。リスクは同様に降り掛かってくる。

政府は「いかなる手段をもってしても人質の生命を守る決意」を断固として宣言したが、全く虚しい。まさに「いかなる手段」こそが、国力である。

日本にそれだけの外交力は備わっていない。政府要人は言語明瞭、意味不明の発言が多すぎる。まさに日本国の威信が問われている。

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山中 千代衛