山中教授のマニフェスト(OELキャンペーン 629)

2015・6・29(月)過ぎたるは及ばざるがごとし

過去20年わが国はデフレーションに悩まされつづけてきた。昭和末期の経済大躍進、「パックスジャポニカ」の日々は数年で終わった。

この当時ニューヨークマンハッタンのロックフェラー・センターを日本の商社が買収したり、国内でもマンションの売買が盛んで利殖用の建物が飛ぶように売れ、銀行は過剰融資に走るという目も当てられぬ乱痴気騒ぎであった。これがリーマンショックで一挙にデフレに突入してしまったのだ。

先進国の中でダントツに甘い財政運営を続けてきた日本は、財政赤字がGDP(国内総生産)の6.9%、公的債務に至ってはGDPの246%に上っている。

安倍政権は消費税増税を延期し、デフレ対策を重視しようとしているが、膨れ上がる公的債務を削減する長期計画を今こそ策定すべきである。

アベノミクスの楽観的な立場は、経済再生により生産性が高まり、2025年までに年2%の経済成長が見込めるという。果たしてうまくゆくのか。

日銀の黒田総裁は異例の金融緩和を実施し、円を市場にじゃぶじゃぶ流した。その結果すぐに反応したのが株式相場で、かつてのバブル時代の日経平均2万円台を回復し、一部でははやインフレが懸念されている。たしかに日本銀行の大規模な量的緩和により国債利回りは過去最低水準にある。

今すでに国際の利払いが日本の国家予算の4分の1を占めており、まさに極限状態である。国債の利払いが増加すればあっという間に国家破綻に陥る心配がある。

物価はすでに日銀の予想通り2%upしたが、賃金ははるかに下まわっている。これでは需要を拡大し、デフレを退治する当初の目的は達成できない。

日本の家計貯蓄率は世界に誇るべきものがあったが、年々低下し、米国の家計貯蓄率所得の5~6%を下まわるという。家計貯蓄の日米逆転はまさに驚きである。

アベノミクスの金融政策は今や過ぎたるは及ばざるがごとしと言わねばなるまい。政治家の見識が問われている。

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山中 千代衛