山中教授のマニフェスト(OELキャンペーン 633)

2015・7・27(月)日本とドイツ

我々年輩者にとってドイツはかつて枢軸国の相方として世界を相手に戦ったという親近感がある。イタリアは全く力にならなかったが、日独両国は力を尽くして連合国と戦い、遂に敗れ去った。

ドイツは首都ベルリンに攻め込まれるまで戦ったが、日本は沖縄戦を最後に本土上陸をみるまでに降伏し、終戦を迎えた。ドイツは無政府状態にまで追い込まれたが、日本は天皇制を維持する形で統治組織は温存できた。ドイツも中々したたかであったが、日本も決してそれに劣らぬ結束力を示したのである。

共に勤勉でまじめ、実直な国民性である。敗戦後製造業を中心に復興し成長を遂げてきた。現在は少子高齢化やCO2問題、エネルギー確保に直面している。ドイツは脱原子力を実現したが、不足電力はフランスの原子力配電に依存する便法を持っている。日本はどうしても全電力の1/3は原子力に頼らざるを得ないという結論である。

大陸国ドイツはヨーロッパ連合を形成し、通貨も統合して着実に力を蓄えている。日本はTPPなどの貿易自由化を進めているが、島国でありドイツと同じ状況にはならない。日本は中央集権が極度に進んだ国であるのに対して、ドイツは州政府の権限が強く地方主権が徹底されている。

産業構造も大いに異なっていて、ドイツでは業界再編が進み、同業者間の過当競争は抑制されている。マイスター制の影響で技能職の待遇は職種毎に決まり、スキルが同様ならどの企業でも賃金は大きく変わらない。

日本では多くの業界で再編が進んでおらず、多くの同業者での同質競争に陥りやすい。加えて技能職の賃金は企業ごとに異なり、下請けによるコスト削減の構造がある。価格競争に疲弊する日本企業と付加価値を高めることに長けたドイツ企業との差は大きい。

光産業の振興開発にもすばらしい力をドイツは示している。この対策として日本は産官学の連携をすすめ地方活性化をしなければならない。

この計画は旗ふりだけでは駄目で国を挙げて積極的に取り組まねば日本の将来は危うい。文部科学省、通商産業省、各府県の覚醒と努力が不可欠である。

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山中 千代衛