山中教授のマニフェスト(OELキャンペーン 649)

2015・11・16(月)文殊の智慧

今月4日原子力規制委員会は高速増殖炉原型炉「もんじゅ」を安全に運営する能力が日本原子力研究開発機構に欠けているとして、新たに運営主体を明示するよう文部科学大臣に勧告することになった。

勧告は原子力機構に対して退場を迫ったものである。文科省は依然として運転再開を目指す考えのようである。

原子力機構に代わる運営主体が見つけられないと、当然核燃料サイクル政策が否定される。現実に国内でナトリウムを使う原子炉を管理した経験を持つ事業者は見当たらない。「もんじゅ」の先行は全く不明である。

ナトリウムはきわめて危険な素材だから1995年のナトリウム漏れによる火災事故があり、2012年には1万点に及ぶ機器の点検漏れが判明し、このままでは2013年には運転準備を禁止する命令が出ている。

「もんじゅ」は今までに約1兆円、年間200億円の国費が投入されている。高速増殖炉は中国やロシアでは開発をすすめているが、米英独など主要国は既に撤退している。

ではただちに廃炉に出来るかといえば国の原子力エネルギー政策を見直さねばならない。高速増殖炉はウラン資源の有効利用と放射性廃棄物の処理を両立させる、まさに夢の核燃料サイクルという切札になる施設である。

「もんじゅ」の廃止により現在のプルトニウム保有の正当性が問われ兼ねない。まことに厄介な問題を内蔵している。

このような事態の下で責任をとって問題を解決する人物は近頃日本ではなかなか見当たらない。会議が踊るだけの時代となっている。

日本国中無責任体制なのだ。何か欠けている。まさに若人の教育である。
文殊の智慧が欲しいものだ。

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山中 千代衛