山中教授のマニフェスト(OELキャンペーン 654)

2015・12・21(月)師走

かつてというと昭和20~28年日本全土はアメリカを中心とする占領軍に支配され、何をするにもGHQ(連合軍総司令部)の許可が必要で、日本は独立国ではなかった。

わが国のキリスト教徒は全人口の数%であるが、このクリスマスシーズンになるとすべてのラジオ、テレビがクリスマスソング一色に塗りつぶされていた。尤もテレビは昭和25年に試験放送が始まり、白黒の受像器械さえ全く普及していなかった。公共の場にテレビがあるという位であった。

昭和25年MIT留学の帰りに土産として米国産の白黒テレビを持ち帰ったがきわめて珍しがられた。これらから流れるクリスマスキャロル「聖しこの夜」とか「諸人こぞりて 迎え祭れ」とかが聞こえていた。「ジングルベル」はそり遊びの様子を歌ったものだが、これも盛んにスピーカーから流されていた。

近頃はラジオ、テレビでこれらクリスマスソングを聞くことはきわめて稀な状態である。昔ながらの懐かしいメロディは年輩者の心に刻まれて、まさにGHQの宣伝の勝利である。

この頃は米国が自由自在に敗戦国日本を指図して、いわゆる米国式民主社会主義を定着させようと試みていた。

何しろ日本はかつては神仏混合、今でも多神教の国である。キリスト教会に出席し、神社に参り、お寺で念仏を唱えることに全くこだわりがない。一神教であるキリスト教、イスラム教、ユダヤ教の信者にとっては全く理解不能な信条である。

日本の人心はまさに風にそよぐ葦だ。言われるままに生きてゆく。長い歴史の上にたつ伝統など一向に問題にしない。国の基本法である憲法でさえ、1週間の作業でGHQから与えられた。財閥解体とか農地解放など平時ではとても出来ないこともすべて受け入れた。

クリスマスイブが来るたびに日本の変わり身の速さに驚かされている。これは長所かはたまた短所か思案のしどころである。

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山中 千代衛