山中教授のマニフェスト(OELキャンペーン 655)

2015・12・28(月)行く年来る年

平成27年乙未の2015年はあと3日、晦日が過ぎれば、平成28年丙申の新年である。

顧みれば1年など全くあっというまに春夏秋冬が巡ってくる。今年はシリアを中心とする紛争でイスラム急進主義者が戦をしかけ欧米はその対応に手一杯、一向に平静にすすむ気配がない。

米国は経済的に安定し、金利の上昇を許容する状況にあるが、日本はアベノミクスをかかげる安倍政権の下、経済再生が第一目標とされ、日銀の金融緩和を中心政策として、円安、株高をはかり、設備投資と民間給与の増加を糧にして2%のインフレを目標としている。

国を挙げて経済第一主義に走って、色々不都合がおきかけている。経済産業省はかつて通産時代から官主導に寄る産業立国を唱えてきたが、今やあまりに金儲けに走りすぎる傾向がある。

例えば国内特許の有望なものを民間の調査機関に選定させ、自ら設立した子会社がそれを買取り、有効に使うのはいいが、高値で外国に売り渡すなどはちょっとどうかと思われる。

文部科学省はもとの文部省の時は真善美を追求する教育と研究を中軸にすえていたが、今や基礎研究の科学研究費は抑圧され、3年程度で実用化が出来る研究を目途に予算を集中させている。これでは経産省とあまり違わないことになる。

やはり国家百年の計を考える官庁として文理工にわたって踏んばってもらいたいものである。経済は大切であるが世の中金が全能という考えは控えるべきである。

ドイツのメルケル首相は東独の出身のためか、避難移民の受け入れに積極的で、EUの中心として立場を確保している。

日本は元々島国であるため国境の概念が海で仕切られ、他国との交流が苦手である。高齢少子化の時代、労動力不足に見舞われているが、移民等人口対策はほとんどなきに等しい。

さて何と言っても2016年全世界は米、欧、中国を中心に動こうという形勢である。中国の台頭を如何に納得して組み込んでゆくか、わが国の一大課題である。かつて米国につぎ世界第二位の経済大国であった日本は、このままではアジアの一国に過ぎなくなってしまう。

国の基本は教育にある。もっともっと新しい国の担い手を有効に育てなければ成熟した夕暮れの国に転落する恐れがある。

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山中 千代衛