山中教授のマニフェスト(OELキャンペーン 666)

2016・3・14(月)大学の使命は

大阪大学では産学連携プロジェクトとしてCOI拠点開設が提唱されている。

COIは文科省が大々的に推進しているCenter of Innovation Streamをそのまま持ち込んだもので、このアイデアは文科省のおすすめの結果である。

内容は「一人一人が最高に輝くハピネス社会の実現」を目指すとしている。具体的には「脳マネジメントの潜在能力を発揮できる社会」というプランを提唱していて、4つの取り組みとシステム化で社会実装を実現するという。

このプロジェクトは「人間力活性化によるスーパー日本人の育成拠点」を目標にしている。「ハピネス社会」、「スーパー日本人」という言葉の選び方がいかにもスーパーマーケットの宣伝に似ていて、大学にふさわしくない。言葉の遊びである。

このプランをしぼり出した大学の研究者はそれぞれ高度で専門的な己の研究分野と専門講義を行う役目を持っている。

文科省のこの通達を見た大学人がそれに従わないと予算がとれないと思い込んだ心情は理解できる。しかし大学人は本来の専門的な学術研究に精力を集中すべきであって、スーパーグローバル大学創成支援という大風呂敷に包まれては身もふたもない。

大学の使命は一国の文化レベルの向上とその発展に力をつくすことである。自らの専門分野を通じて自らの貢献を果たすことこそが大切である。

「スーパー日本人」というレッテルはいかにも重厚さがない。用語には今一つ気配りが不可欠と思うのだが。

文科省もかつての地道な研究と教育への努力が失われてきた。これは日本全体の傾向でもある。もっとドッシリとして責任を果たして欲しいものだ。

アベノミクスの影響ではあるまいが、この頃政治が薄っぺらになって落ち着きがないのは心もとない。

大学人は大学人として自らの責任と自覚で本来の使命へ向けて頑張ってもらいたい。

お便りはcampaign@optolab.co.jpまでお願いします。

山中 千代衛