山中教授のマニフェスト(OELキャンペーン 671)

2016・4・18(月)教育のあり方への配慮

かつての産業革命では工場労働者の雇用を蒸気機関が代替した。1990年代からのIT(情報技術)は労働市場に大きな需要変化をもたらしている。ITの普及は主に中位のスキルを持つ人材の需要を減らしたのである。

例えば経理や広告の業務などである。ITはグローバル化をもたらし、先進国の企業は人件費の安いインドや中国などへアウトソーシングするようになった。

高スキルの人材は生産性が向上し需要が拡大したが、一方低スキルの人の肉体労働も清掃や料理などではなお需要が高い。大学卒業は高スキル、高校卒業は低スキルと考えられている。

賃金は需要と供給の関係で決まるから、高スキルの人材が不足がちとなり賃金格差が次第に増大している。しかしただ大学の定員を増加させただけでは、質の低下が著しくなるだけである。

時代の流れとともに高スキルの大学卒業者への需要は今後益々盛んになると思わざるを得ない。果たして大学側にその準備と体制が配慮されているか疑わしい。

国の繁栄はこれまで以上に人材によることは間違いない流れである。大学は研究と教育の二面性に正しく向き合わねばならない。この兼ね合いが大変難しいところだ。

人材の養成には国を挙げて取り組まねばならない。日本の生きる道は人材の確保にかかっている。大学人の自覚は元より文部行政の責任は極めて大きい。

急がば回れという格言がある。経済よりも、軍備よりもまずもって人材の育成が国の基幹である。

お便りはcampaign@optolab.co.jpまでお願いします。

山中 千代衛