山中教授のマニフェスト(OELキャンペーン 681)

2016・6・27(月)山中回想録(7)

大阪大学レーザー核融合研究センターは昭和47年にその基となった工学部付属レーザー工学研究施設が開設され、大型レーザーによるレーザー核融合の研究をはじめた。

爾来15年、昭和62年阪大を定年で退職、センター長を中井貞雄君に譲った。この際米国リバモア研究所ジョン エメット博士から「大型ガラスレーザートロフィーを贈られ、レーザー核融合研究推進を多とする謝意の文章」が刻まれている。

日本の経済状態もスムーズで財団法人レーザー技術総合研究所を設立した。荒井寿光氏は「一年早くても一年遅くても設立はむずかしかった」と言われた。

理事長には関電の飯田孝三氏が就任し、レーザー同位体分離、ウラン濃縮を主な研究の内容に据えた。そもそも核融合研究は新分野で、やることなすことすぐに成果を出すのだが、中々本筋の核反応点火には至らない。

米国でもそうだが色々新しい工夫の下、研究が進められた。N. バゾフ、スキルワコフ氏がソ連レベデフ研究所よりやって来た。また姫路工業大学の学長に選ばれ、5年の任期に就任した。電気学会会長では創立100周年の記念行事を執り行い、皇太子両殿下の出席を得た。まさに研究者冥利に尽きる年であった。

姫路工大の5年間はない知慧をしぼって学内の充実をはかり、付属高校を設け、大学の形成に努めた。「明るく楽しく未来のために」をモットーに大学の質的向上を計った。

またレーザーによる誘雷の実験を大規模に北陸の美浜嶽山に開発し、5年間かけて誘雷をCO2レーザーで研究した。自然のスケールは巨大でなかなかレーザー放射のみでは雷をコントロール出来ない。また自由電子レーザーの研究もすすめ、一応完成品が出来上がった。自由電子レーザー研究所が開設された。

平成4年には紫綬褒章を受章し、電気学会功績賞、平成12年には勲二等瑞宝章を受章した。

レーザー核融合研究では高速点火、短パルスエネルギー集中を計っている。レーザー研究も新人の能力が試されている。猶一層の努力精心を望む所である。

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山中 千代衛